北海道函館市では、上湯川にある銭湯「菊乃湯」の閉店により風呂難民の問題が浮き彫りになっていました。
しかし、2023年4月に函館市長に当選した、タレント大泉洋の兄である、新人・大泉潤氏が、この深刻な課題に対して積極的な姿勢を示しました。
この記事では、函館市の菊乃湯閉店に伴う、風呂難民問題についての経過について、分かりやすく解説いたします。
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風呂難民とは
風呂難民とは、日本の特定の地域において、適切な入浴施設を利用することができず、入浴の機会や環境に制約を受けてしまう人々のことを指します。
特に、地域の共同浴場など、伝統的な風呂文化が根付いている地域で問題なることがあります。
とはいえ、風呂難民の定義には、明確な基準はなく個々の状況や地域によって異なる場合があります。
一般的には、地域において入浴施設が不十分であり入浴機会に制約が生じていることや、住宅事情により、住んでいる場所の状況により個人が入浴施設にアクセスすることが困難な状況にあることを指します。
函館市の風呂難民の問題とは?
函館市上湯川にある銭湯「菊乃湯」は、2023年9月に閉店する予定をしていました。
これにより、風呂難民が多数でると言われていました。
菊乃湯閉店の理由は
その理由は、利用者の減少と燃料費の高騰、また店主の健康不安によるものです。
菊乃湯を開店したのが、1973年であり、この50年間で銭湯を取り巻く環境は大きく変わりました。
3年ほど前から、店主は閉店を本格的に考えるようになったと言います。
ピークだった1990年頃は、1日の利用者が300人いました。
これに対して、2023年4月で1日の利用者は、70人ほどです。
この原因は、人口減少や風呂付の住宅が増えたことによるものです。
さらに、燃料代の高騰が、菊乃湯の経営を圧迫します。
2022年で1リットル80円だった重油は、2023年4月現在で110円まで値上がりしました。
銭湯の一か月あたりの経費は、100万円ほどでそのうち半分が燃料代として支出がある。
収入が70万円ほどであることから経営は赤字となる。
73歳の店主は、年金を切り崩して生活している状況です。
お客の現象と燃料の高騰でどこの銭湯もきつい状況にある。
後継者も見つからず、店主の体力の衰えもあることから、閉店を決意しました。
風呂難民が多数出る問題
菊乃湯の閉店は、地域で深刻な問題を引き起こします。
それは、菊乃湯の周りには、団地が立ち並んでいます。
この団地のほとんどの部屋には、お風呂が付いていません。
菊乃湯のまわりにある団地には、約800人が居住していて、そのほとんどの部屋にはお風呂がありません。
このため、団地の住人にとっては、銭湯である菊乃湯は欠かせない存在なのです。
団地の近くには他に銭湯もないため、菊乃湯が閉店となると、住民が困り、いわゆる風呂難民が多数出てしまうことになります。
例えば、菊乃湯から徒歩1分のとこに住む人は、週二回、利用しています。
自家用車や持っておらず、別の銭湯に行くとなると2㎞も離れた場所になる。
夏場は、自転車を利用できるが、冬となると自転車が使えない。
また、年齢的に足腰が弱くなり、自転車にもいつまで乗れるか分からない、という人もいます。
函館市は、菊乃湯閉店後も継続できるよう検討中であり、関心を示している業者もいるようだが、人口減少が続く団地の銭湯となると、経営の見通しは厳しと考え、具体的なことは決まっていませんでした。
函館市の風呂難民の救済方針とは
「菊乃湯」函館市が買い取り方針 銭湯存続に住民安堵 湯川団地唯一 店主も「安心」:北海道新聞デジタル https://t.co/atBcGlsbAL
— 北海道新聞🖋️ (@doshinweb) June 7, 2023
2023年6月7日の新聞報道によりますと、函館市は、菊乃湯の建物を買い取り、10月以降も、公費で存続させる方針を固めたとのことです。
市は事業者を募り、運営を委託する方針で検討しています。
6月28日開会予定の函館市定例市議会で、菊乃湯委託関連の必要経費を補正予算として計上する予定をしています。
補正予算案が可決されれば、事業者を公募し、事業者が決定されれば、10月以降の菊乃湯の存続も見通しがつき、風呂難民がでることなく、安心な生活が見込まれることとなります。
函館市の市長はタレント大泉洋の兄
大泉潤氏「弟の知名度なければ勝利なかった」 函館市長選で当選確実 https://t.co/2YqBL5D8hn
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) April 23, 2023
2023年の4月の統一自治体選挙では、函館市長の選挙が特に注目されていました。
その理由は、市長候補にタレントの大泉洋の兄が出馬すると表明されたからでした。
そして、見事、現職を破り、大泉潤氏が当選したのです。
4月の市長選では「公衆浴場のない公営住宅の問題解決に努める」と訴え、就任記者会見では、「支援できるよう菊乃湯と連携しなければならない」と述べていました。
最後に
今回は、函館市に菊乃湯の閉店にともなう、風呂難民についての経過内容を紹介しました。
地域住民にとって大きな問題となっていましたが、函館市長大泉潤氏がこの問題に真摯に向き合い、救済方策を示しました。
今後の函館市のさまざな取り組みに注目していきましょう。
私の別のページでは港町小樽の話題についても紹介していますので、合わせてお読みください。
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